登っているときには、あまり、物事を考えていないですね。目の前の石やら、木やらを見ながら、次の足よ置きどころはどこで、転ばないように手をこの木についてとか、物事というより、船でいえば、安全航行に関わるようなことを考えています。

　ふと、山に関して、思いが浮かぶのは、帰りのバス停で、今来たほうに見える山のシルエットを見ているときとか、電車の外は霧雨なんかが降ってて、窓にささーっと流れる水の筋をみているときなんかですね。

　そんな光景のなかにいると、ああ、この辺りに暮らしている人たちは、あのとんがった山見て、何を思うのだろうとか、ああーっ、この雨の感じは梅雨時に行った雨降山で、雨だか霧だかのなかを歩いていたときに似ているなあとか。

 

 　登旅コラムは、山のなかで、ふと思ったことや出会ったこと、普段、町にいるときに、ふと思い出したことなどをつらつらと綴っています。

 

 　ちょっとした、ひとり言、絵日記みたいなものとして、写真と一緒に綴っていきます。

​