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- FUTHER, DEEPER #002 -

first drop of tamagawa #2

​OKUCHICHIBU, RAIN IN APRIL

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奥秩父・多摩川源流、雨がちのテントの旅

​SCENE 1  雨の山のオブジェたち

 雨ゆえ、尾根からは、離れて、しとしと雨に濡れる森のなか歩いて行く。

 しっとりとした木々の幹、苔むした倒木、色鮮やかになる苔。冬の間の雪のせいか、傾いた木々は、霧の中に消え入りそうな危うさを感じる。

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 笠取小屋を出ると、緩やかな斜面を登り、十分余りで、笠取山を巻く道に出合います。左は、雁坂峠、甲武信岳方面、右は、唐松尾山、将監峠方面へとつづきます。

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沢の水は、倒木と岩の間を、時間に途切れなく流れてゆく。

 

 一方、雨に濡れる木々は、木の肌の色麗しく、枝や葉に、水雫をたたえながら、静かにときを過ごす。

 

台風か、大雪か、ほかの理由で倒れ、朽ちていく木でさえ、未だに、ときは静かにながれて苔たちと戯れている。

 

「まあ、これもいいもんだ」

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2019年4月、山梨県笠取小屋近辺。

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 人のほとんど通らない道を、、森のなかを辿ってゆく。自分のいる山よりほかは見えない。

​(FURTHER #003につづく)

2019年4月、山梨県 多摩川源流の水干〜将監小屋近辺。

#002

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