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六月十六日
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奥秩父・多摩川源流、雨がちのテントの旅
PROLOGUE
奥多摩の石尾根から、金峰山・瑞牆山に続く、奥秩父の深い森。多摩川源流のある笠取山から将監峠の界隈は、岩肌の美しい、金峰山のような勇壮な景観はなく地味なものの、山の奥であることは、かなり実感できるルートと思います。
四月三十日。テント山行で来た二日目は、前日の夜中から雨が降りはじめた、雨の朝でした。今日は停滞してもいい、くらいの気持ちでいました。
あたりの降り具合を見に、傘さして、テント場から小屋の広場を散歩していると、雨のなか、カッパを着て、若い女の子が、テントをたたんでいるのを見かけました。
単独行であることにも、少し驚いて、今日の道行きを尋ねると、
「今日は、甲武信岳まで行くんです」との返事。
その後、どう受け答えしたかは、よく覚えていないのですけれど、その会話の後には、今日は、予定通り、将監小屋まで行くのだと、決心をしていました。
雨もそんなに強くもなし、ずっと巻道で、風も弱くしとしと雨だろうと、少し冷静に、ちょっと楽観的に考えられるようになっていました。
笠取小屋を出ると、緩やかな斜面を登り、十分余りで、笠取山を巻く道に出合います。左は、雁坂峠、甲武信岳方面、右は、唐松尾山、将監峠方面へとつづきます。
霧とも雨ともつかない、白くもやもやしたなかを、傘をさして、歩いて行きました。荒れ気味と、天気予報で話していたけれど、雨はしとしと、風は、さほど強くありません。
雨に濡れた木々や、木についた苔、地面の苔もみな、しっとりとして、神秘的でもありました。
(FURTHER #002につづく)
2019年4月、山梨県笠取小屋近辺。
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