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INTO THE WOODS

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- Into the woods #004 -

LOOKING FOR MOUTAINS

LAUGHING, TAKAO, APRIL

​- INTO THE WOODS -

​「山笑う」、をもとめて(高尾、4月)

「山笑う」ということばがある。

 俳句で、春の季語、山笑う。

 

 三月から四月にかけて、近郊の低山に通うたび、「山笑う」とは、どのような様相をしているのかを考えています。 ある年の春は、初初しい黄緑の新芽が、山のなかにあらわれるころだろうかと思う。

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冬枯れの木々や常緑のくすんだ深緑のなかに透きとおるかと思える淡い黄緑のまばらな集まりが見えることがある。そんな黄緑を見ていると、わきの下が、くすぐったい、こそばがゆいような、そぞろな気持ちになってくる。

 ある早い春のころに、こんな、そぞろな気持ちを起こさせるような山容は、「山笑う」なのではないかと思ったしだいです。

 

  ※  ※  ※

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 今年の春には、里よりも少し遅い花見に行っ高尾山の帰りに、そんな、そぞろな気持ちにさせる光景を見かけたのです。

 山頂近くの小高い尾根から、五百メートル前後の低山の連なる山なみをぼんやりと眺めていたときのことです。

 

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山をおおう、黄緑やら濃い緑の森のなかに、ところどころ、淡いピンク色の桜の咲いている景色です。

 小さく集まった桜がほくそ笑んでいるさまあり、棚のように広く植わった桜たちが宴をしているように、高らかに笑っているさまあり、いくつかの笑いの表情を山に見ていたのです。

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 ​ふもとのバス乗り場に来ていたワゴン車のドリンクスタンドで、生ビールを飲みながら、「もう、ビールも冷たく感じない季節なみだ」なんて考えながら、見上げる山に、桜のビンクのかたまりの数をかぞえていました。

2019年4月、東京 高尾山周辺(一部、山梨県)。

#004

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