六月十六日
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カンパリソーダのある午後
「カンパリソーダできるかな?」
「できるよ。ちょっとソーダ買って来るね」
カンパリソーダとは、ほの赤い、見た目にも、飲んだ口当たりも、透明感の感じられるカクテルなのです。ある人に言わせれば、昼にこそ飲む酒、という人もいれば、どんよりと飲み過ぎそうなときに、切り替えに飲むと、それまでの憂さが晴れるという人もいる。
ぼくは、やはり、昼の光のもとで飲むほうが、カンパリソーダにはふさわしいと思います。
グラスに氷を三つ四つ入れて、カンパリをショットグラスで計って入れた後にソーダを注ぎます。しゅわしゅわっと、泡を立てながら、赤というより、紅色のカンパリが、徐々に、透明になっていくのは、つくる人のみぞ知る愉しみでもあります。
カンパリソーダの透きとおった紅は、南海のどこかの海の透明感にも、山のなかの深い緑に透きとおる池や川にも匹敵するものです。
※ ※ ※
このお盆休みは、家から日帰りで山に行った以外は、遠出せず、家や家の周りで過ごしていた。
偶然、妻も同じ週が夏休みで、買い物がてら(晩ご飯のおかずだけれども)、散歩したり、家で映画観たり、ある日の午後は、インド料理の店に行ったり(電車に乗らなくて行けるところ)して過ごしていた。
そんなさなか、十五日の夕方は、花火大会で家に集まることになっていて、わが家(特に料理を司る妻にとってはとても)にとっては、大きなイベント。昼過ぎからしていた準備の整ったころ、五時ごろだったか、
「カンパリソーダできるかな?」
集合時間には、まだまがあったので、すぐ近くのスーパーでソーダを買い、早速つくってみると、日の入り前の、やわらかな陽の光のなかで、泡がキラキラして見えるのが、かわいく、いじらしくて、とてもやさしい気持ちになりました。
DRINK, AND, CHAT
2017年10月