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六月十六日
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山とたぬきと夕暮れ
午後四時三十四分。山のなか、麓を目指していると、急にリュックが重くなり、ふり返っても誰もいない。いい加減、疲れていたので、リュックを下ろして、一服する。真夏だというのに、紅葉のような赤い葉っぱが一枚、不自然にリュックにはりついている。仲間の吸っていた煙草を借りて、葉っぱにかけてみれば、葉っぱが身震いしている。
タヌキのやつに違いない。

いつだれが通るかわからない、こんな山奥で、ひたすらに待っている姿を思ったら、タヌキのことが不憫に思えて、少しの間でもだまされてやろうかと思う。
しかし、疲れているのは、こちらも向こうも同じと、少しばかり驚かしてやれと、リュックを転がしてみた。すると、今度は大きなサイコロになったとさ。


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2018年7月 奥多摩
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